減価償却とはなんのこと?それは不動産投資で知っておくべき言葉

「不動産投資の勉強をしていたら減価償却という言葉を見たけど、どのようなものだろう。」減価償却は不動産投資をする前に知っておくべき大切なことです。しかし、あまり詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか。

今回は減価償却について知りたい方向けにその概要と計算方法について解説していきます。また、最後に減価償却のシミュレーションもしているので、ぜひ最後までご覧ください。減価償却を理解して、不動産投資に活用していきましょう。

減価償却とは

減価償却とは、長期間にわたって使用し経年劣化が生じるような資産を取得した際に、取得に要した費用(取得価額)をその資産の耐用年数にわたって費用計上する会計処理のことを言います。建物や設備などは、時間が経つに連れてだんだんと価値が下がっていくと考えられています。
しかし、いくら分の価値が下がったか毎年厳密に算出していくことは不可能なものです。なので、価値の減り方について一定の前提を置き、一定の計算式に基づいて価値を減らしていこうという理由で減価償却が行なわれています。

また、不動産投資において減価償却を考えるのであれば、土地と建物を切り離して考えましょう。なぜなら、土地は多少の時価の変動はあるものの、時間が経っても価値が下がらないことから、減価償却の対象ではないためです。物件は減価償却の対象になるので、取得価額を決められた期間(耐用年数)を基にして経費に計上します。ちなみに、経費となるため毎年の確定申告で減価償却費を計上することを忘れないでください。

減価償却の計算方法

減価償却には主として以下の2つの計算方法で計算が行なわれます。

・定額法
・定率法

定額法は2007年4月1日以降に取得した不動産に対して主に使われる計算方法です。それ以前では主に旧式の「定額法」「定率法」が使用されていました。定額法は不動産ごとに決められた耐用年数にわたって毎年一定の金額を減価償却するものです。

計算式は以下の通りとなっています。
(取得価額 × 耐用年数に応じて定められた定額法の償却率)

定額法は減価償却費が一定の割合で計上されるので、初期の段階から利益をだしやすいですが、その分、初期の段階の税金は増える傾向にあります。一方、年数が経って修繕などが必要になると費用の合計が大きくなります。

定率法は未償却残高に対して、毎年一定の割合(償却率)で減価償却していく計算方法です。
そのため、最初は減価償却費が大きく、だんだんとその金額が下がっていくことが特徴となっています。

具体的な計算式は以下の通りです。
(未償却残高 × 償却率)

定率法は機械装置や車両運搬具、器具備品に適用されます。定率法は不動産を購入してから時間が経って収益力が落ちてくる時期に負担が減るメリットがあります。一方、初期の減価償却費は大きくなるため利益を計上しにくい点が特徴ですが、その分、初期の段階の税金は少なくなる傾向にあります。

覚えておきたいポイント

不動産投資をする際、減価償却について以下の2つのポイントは覚えておくべきでしょう。

・不動産は構造によって耐用年数が異なる
・中古物件は残存耐用年数から計算する

ひとえに不動産といっても、RC・鉄骨・木造など様々な構造があります。それによって耐用年数が異なり、減価償却の年数も変わっていきます。安定した家賃収入を狙いつつ、不動産投資の規模を大きくしたいなら法定耐用年数が長い物件が有利です。
一般的に、ローンは法定耐用年数までの期間しか設定できません。つまり、期間が短いとそれだけ短期のローンしか組めなくなってしまいます。

長期かつ多額の資金があると不動産投資は安定しやすいので、RC造など法定耐用年数の長い物件がよいでしょう。ただし、利回りを重視するのであれば、期間の短い物件を考慮してもよいです。中古物件の減価償却についても注意してください。なぜなら、中古物件の減価償却は残存耐用年数を基に計算されるからです。法定耐用年数をそのまま適用できません。

残存耐用年数は経過年数を法定耐用年数から引いて算出します。経過年数とは、新築時から取引時までの期間です。具体的な計算方法は以下の通りとなっています。ここでは、実務で最も使われる「簡便法」をご紹介します。

  • 経過年数が法定耐用年数を超えた場合:残存耐用年数=法定耐用年数 × 20%
  • 経過年数が法定耐用年数を超えていない場合:残存耐用年数=(法定耐用年数 - 経過年数)+経過年数×20%

上記のような計算方法を「簡便法」と呼びます。ただし、取得した中古物件に事業用のために修理やリフォームをしてその金額が取得価額の50%を超えると、この簡便法は適用されないので注意してください。

減価償却シミュレーション

それでは実際にどのくらいの減価償却が行なわれるのか具体例を出してシミュレーションしていきましょう。
今回は以下のような条件とします。また、購入時期は2007年4月以降として計算していきます。

不動産の購入金額 4,000万円
建物と土地の割合 3:7
構造 木造
経過年数 12年
計算方法 定額法

まず、土地は減価償却しないので、建物にかかる購入金額の1,200万円に対して減価償却費を計算します。

(4,000万円 × 3/10 = 1,200万円)

今回はこの1,200万円を建物の取得費としましょう。

次に、中古物件なので残存耐用年数の計算が必要です。木造の法定耐用年数は22年なので、計算結果は12年となります。

(22年 - 12年) + 12年 × 0.2 = 12年
※小数点以下切り捨て

耐用年数が12年の場合、定額法の償却率は0.084です。そして、取得費の1,200万円に償却率を乗じて求められた「1,008,000円」が建物の減価償却費の合計となります。

(12,000,000円 × 0.084 = 1,008,000円)

これを耐用年数の終わりまでの12年間に分けて減価償却費としていきます。

減価償却は不動産投資において必須の知識

ここまで不動産における減価償却について解説してきました。減価償却とは、劣化する固定資産の価値の減少分を耐用年数にわたって費用化していくことです。主な計算方法には「定額法」と「定率法」があり、建物には基本的に定額法が使われます。
ただし、不動産の構造や中古・新築かといった条件によっては、耐用年数が異なり減価償却費が変化するので注意してください。不動産投資をする時は今回説明した減価償却もしっかりと考慮して進めていきましょう。

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