硬貨とクレジットカード

「人生100年時代」を迎え、近頃はニュースやワイドショーなどでも投資信託や資産運用についての話題が上がり、世間の投資に対する興味が高まりつつあります。なぜ、貯蓄ではなく資産運用が注目されているのか気になっている方も多いことでしょう。そこで今回は資産運用の必要性をご紹介します。

そもそも資産運用とは

資産運用は貯金や不動産を活用して資産を増やしていくことを言います。具体的なイメージを持ってもらうために、どのような資産運用があるのかを紹介していきます。

代表的な資産運用

例えば、貯金で株を買って企業から配当金を受け取る方法があります。経済事情に詳しく、企業の業績の動向を予測できる人におすすめの手法です。また、土地を買ってアパートやマンション経営を始める方法も代表的と言えるでしょう。その際、土地活用の仕方が分からないケースでも、土地を業者に貸し出して代わりに運用してもらい、地代収入を得るという手もあります。他にもさまざまな資産運用の方法があり、リスクと利益のバランスを考慮しながら、自らのリスク許容度に応じたものを選ぶのが一般的です。

銀行への預金も資産運用の一つ

資産運用というと、「失敗して損をするのではないか」と考える方も多いことでしょう。ですが、実際のところ、どのような方でも資産運用を経験しています。なぜなら、銀行への預金も資産運用の一つだからです。しかし、この資産運用は現在効果が薄くなっており、利益を実感しづらくなっているのが実情です。その理由を引き続き解説していきます。

昔は銀行預金のみで貯蓄が増えていた

現在、銀行への預金が資産運用として認知されなくなっていますが、昔は貯蓄を増やす手段として知られていました。そのことを実感してもらうために、昔はどれくらい金利が高かったのか、また、預金でどれくらい利息を得られたのかについても紹介していきます。

昔は金利が高かった

時代は1960年から1990年ごろまで遡ります。バブル期を含めた高度経済成長期の金利は非常に高いものでした。ちなみに、普通預金の最高金利は1974年における3.0%です。この値は、現在の普通金利(0.001%)の3,000倍になっています。この数字から、現在の金利がいかに低いかが一目でわかります。

どれくらい利息を得られたのか?

では、バブル時代は銀行預金でどれくらいの利息を得られたのでしょうか?先ほどの3%の普通金利の場合でシミュレーションしてみます。例えば、300万円を1年間、普通預金として銀行に預けたとしましょう。1年後には、300万円×0.03=9万円の利息が付きます。比較対象として、現在の0.001%の普通金利でも計算してみましょう。結果、300万円×0.00001=30円の利息になりますが、到底貯蓄が増えたと言える金額ではないでしょう。

以上のことから、高金利を背景に銀行預金のみで貯蓄が増えていた高度経済成長期と違い、低金利の昨今は銀行預金で貯蓄を増やすことは期待できないのが現状です。したがって、特別な対策をしない限り、老後への不安感が募りやすくなっています。また、厄介なことに、それのみならず、老後への不安を増長させる深刻な原因が他にもあります。

年金制度への不信感

電卓と運用表
現在、資産運用の必要性が叫ばれる理由の一つに、年金制度への不信感があります。年金制度とは、現役世代が国民年金保険料や厚生年金保険料を支払うことで、高齢者の生活を支える仕組みです。

しかし、日本は少子高齢化社会に突入しています。現役世代の人数が不足している一方で、高齢者の数が増加傾向にあり、一人当たりの負担が大きくなっているのです。

それにもかかわらず、現役世代が老後を迎える頃には、少子化により生活を支えてくれる若者が少なくなっていることが予想されています。これでは年金の資金源の枯渇が危惧されるのも無理はありません。

このような年金制度に対する不安から、「年金制度は当てにならない」、「年金に加えて、さらに貯蓄をしておく必要がある」と感じる人々が増え、資産運用が検討されるようになっていると言えます。

金融庁が発表した年金問題。老後資金に2,000万円必要?

ここまで少子高齢化で年金への不信感が高まっていることをお伝えしましたが、その不信感を決定的にしたニュースがあります。2019年に開かれた金融庁の有識者会議で、「95歳まで生きる場合、公的年金だけでは老後に2,000万円足りなくなる」という調査報告書が公表されたのです。

その中では、今後、税金や社会保険料は増える一方、定年退職金がピーク時と比べて3~4割減となるほか、将来給付される年金が減ると見込まれ、老後の生活費は平均5万円ほど足りなくなると予測されています。

また、報告書の中で最も特筆すべきは、「資産形成の自助努力が必要」と書かれているところです。国自体が、個人年金やNISA、iDeCoなどによる資産運用を国民一人ひとりに対して薦めていることから、より資産運用に対する興味が高まっています。

まとめ

資産運用の概要とともになぜその必要性が高まっているのかについてご説明しました。「低金利」、「少子高齢化」、「年金受給額の減少」などにより、老後生活が不安定になっていることがお分かりいただけたかと思います。

したがって、これらの不安から資産運用の需要は今後も益々高まっていくことが予想されます。今後、社会保障体制の動向に注目しながら、資産運用の知識を最低限知っておくことが大切と言えるでしょう。

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